どこでも、楽しく、たくましく。

手仕事と幸福度に相関関係はあるか?

人は、常に過去や未来のことに意識が向きがちで、
本当に今に集中するということが少ない。




そんなことを誰かが言っていた。



確かに、仕事で考えてみると、
やっていることと言えば、
将来うまくいくためにどうするかや、
過去がどうだったかの分析という時間がほとんどかもしれない。



何かに没頭するというのは、ある意味何も考えていない状態でもあり、
作業という名の仕事に属するのだろうか。



仕事においては、そのような考えない状態は、
あまり好まれない場合も多々ある。


なるべく作業する時間は短縮して、
考える方に時間を使おうとする傾向がある。
(いろいろ考えている人が偉い、みたいな話はよくある。)


家庭においても、
将来のお金や子供のこと、今晩のおかずのこと、
あるいは、仕事やパートナーに対する不満をつぶやくなど、
先のことや昔のことに意識が向くことは多い。



一方で、今に集中している状態とはどのようなものだろうか。




ひたすら唐揚げを揚げたり、
こびりついた汚れを落としたり、
彫刻刀で黙々とスプーンを手彫りしたり、
思うままに絵を描いたり、塗り絵したり、
ピアノを弾いてみたり、
草を刈ったり、土を耕したり。




どれも目の前のそれと1対1で向き合っている。


そして、手先を使う場合が多く見られる。




何よりも、わたしが好きな時間である。

冒頭の、

人は、常に過去や未来のことに意識が向きがちで、
本当に今に集中するということが少ない。



これは何を言わんとしているのか考えてみた。



我々は、仕事においては常に何かを考えている状態が評価される傾向がある。


手が取られる仕事は嫌われ、自動化されがちである。
作業系の仕事は、頭を使う仕事よりも賃金が安いと言われるのがそれであろう。


私も以前は、如何に作業する時間を短くするか、常に何かを考える時間に当てるかをずっと考えていた。でも、なんだかどっと疲れるのだ。

しかしながら、目の前のことに没頭する、
黙々と、淡々と、ひたすらな時間と言うのは、
それが終わった時、心地よい疲労感、爽快感や達成感が感じられ、すっきりするのである。



きっと、心と体がバラバラで、意識があちこちに飛んだ状態よりも、心も体も一直線となるそういった時間が、人にとって必要なのだろう。




我が家のおちびを見ていると、子供の頃は、全てが一直線上にあった時間が常に100%だったんだと思う。

遊ぶ!食べる!寝る!のマインドフルネスMAX状態。

私は最近、絵を描いたり、文字を書いたり、スプーンを彫ったりと、他のことは考えずに目の前の物事に没頭する時間を意識的に多く取るようにしている。


ヨガや瞑想、呼吸法などで今に集中するのもいいのだけど、私はどうしても他の事を考えてしまいがちなので、やはり手先で何かをする方が集中できる。スポーツなども然り。




そういう何も考えずに、半径50㎝以内に集中する時間は、ストレス発散やマインドフルネスにも繋がると感じている。




地に足がついた、どこか温かな幸福感を感じられるのだ。
少なくとも、今の私にはなくてなならないプライスレスな時間である。




まだ文献とかまで見てはいないが、

手仕事に費やす時間(今に集中している時間)と幸福度には相関関係があるのではないかと思っている。


マインドフルネスとかが流行っているので、きっとそういうことなんだろう。




ということで、しばらくスプーンを彫ることにしました。


皆さんも、半径50cmの時間を楽しんで!

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1987年生まれ 山形県出身・滋賀県在住 どこに移動しても、楽しくたくましく暮らすのが目標。そのために、主に仕事やプライベート、心地よい居場所作りをテーマに研究中。
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